PSO2にてまったり活動中。 RPだとかその他いろいろ雑文書きとか。
access

最新記事
カテゴリ
最新コメント
月別アーカイブ
プロフィール

白銀 桜

Author:白銀 桜
万華鏡、うつくしいかたちをみるもの。
映るものを、言葉に変えて。

日常、PSO2/PSUでのRP、創作など。

検索フォーム

リンク
ブロとも申請フォーム
QRコード

QR

 そのメールは、唐突だった。
 聞き覚えのない着信音に端末を開くと、目に飛び込んだのは『反応消失』の文字だった。
「……は?」
「……どうした?」
 案じてくれた声が遠い。……何度も、何度見ても、この手の文字に慣れることはないのだろう。手が無意識に、トランザーの中を探し出したのに、まだ気付かないでいた。
「パートナーマシナリー、あれの反応がなくなったって、本部から……やぁだ、あたしが回収しに行かなきゃなのぉ?」
「探しに行くなら、手は貸すぞ?」
 何気なく交わしていたはずの会話の間、手は“それ”がないことに気付いてしまっていた。無意識が、認識に変わる。目が、初めてトランザーに向かった。
「……あれ」
「今度は何だァ?」
 だるそうな声が遠くからする。おかしい、いつも同じところに入れていたのに、……ない? 焦りがじわりと、指先を焼いた。
「……何でもないわ、入れてたと思ったのがなかっただけだし」
「あァ? 何をだよ」
「古い端末よ、いつも入れてるのになかったから、」
 ……ふと、隣の視線に気付く。そちらを向くことも出来ずに、手にした端末をトランザーに放り込んだ。
「……多分置いてきたんだわぁ」
 そう言って笑ってみせる。そのまま話題は数世代前の端末の話になって、年長のキースの独壇場になり始めていた。
「……見つかるといいな、あの端末」
 隣から、小さく言われた言葉に顔が上がる。……知っているから、か。
 数え切れないほど見た悪夢を覚ますきっかけになったのは、呼ばれるように赴いた凍土での出来事だった。
 ダイヤモンドダストが、オーロラが煌めく中。捜し続けていたその人がもう、この世には居ない証拠を、見つけてしまった。あり得ない確率で見つけた古びた端末は、凍りついて動かなくなったと思っていた。
 それが覆ったのは、パラレルエリアと呼ばれていた、今はない艦…第64番艦・アリーヤへ足を踏み入れた時だった。
 持っていた機器が次々と異常を吐き出す中、古びた端末だけが、まともに電源が入るようになってしまった。
 ……それ以来。開くことも出来ないその端末を、持ち歩いている。お守りでもない、ただトランザーに放り込んであるだけのもの。だけど、どうしても……手放せずにいるもの、だった。
「……すぐに見つかるわ」
 肩を竦めて手を振って、バーを後にする。部屋に向かう途中、自分が俯いてしまうのにも、気付いていた。




「…………」
 やっぱり、見つからない。何処かにしまっていた記憶はない。充電だけはしていたけれど、それ以外に触れた覚えもない。
 あのメールから数日が過ぎた。あれ以来何の音沙汰もなく、部屋の隅に置いたコンソールも空のままだ。
 本部から送られてきたパートナーマシナリーの名前に、動揺したのはそう遠い前のことじゃない。どうしてあの名前が付けられたのか……心当たりは、ない。偶然だと思うことにはしているけれど、……気味は、悪い。
「……考えても仕方ないわね」
 小さく呟いて、部屋を出る。何故か微妙な不穏さを、否定しきれないままだった。



本日8/1、23:00~のフェス・予告緊急終了後、0:00頃からB30赤バーにて開始予定です。
動き出すのは大体0:30頃から。
最大人数10名を予定しております。
参加していただける方は、チームチャット・ウィスパーの表示を、オプションにてキャラクター名に変更の上、お越しいただければ幸いです。


スポンサーサイト
<< 最高の悲劇を/たまには甘えていいんだよ * HOME * 【PSO2/RP】Talepiece 01【ver:Loiloidia】 >>

管理者にだけ表示を許可する
* HOME *
Brush by BrownBetty