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白銀 桜

Author:白銀 桜
万華鏡、うつくしいかたちをみるもの。
映るものを、言葉に変えて。

日常、PSO2/PSUでのRP、創作など。

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【PSO2/RP】Talepiece 01【ver:Loiloidia】
 1日1回だけ。――折れそうな心を手離さないために決めた、くだらない習慣。
 お店が暇になる、午後3時。コーヒーか紅茶を2人分淹れて、端末を手に取る。香りを胸いっぱいに吸い込んで、カップをゆっくり傾けて。今は亡き人たちを偲びながら、今帰らない1人を思いながら、同じ文字を辿って綴る。
 辿る指が小さく震えるのを、深呼吸でそっと宥めながら。
 祈るように、そっと送信を押した。



「っ、あぁ……っ」
 眼を覚ますと、手には端末があって。知らない間に辿っていた文字は、あの頃と1文字も変わらないままで。テーブルには冷めきったコーヒーのカップが2つ、残っていて。
 ただあの頃と違うのは、送信を毎日押していた、馬鹿げた一途さが無くなったことだった。
「……止めてよ」
 あの頃を夢に見る程、現状を悲観してるなんて、あり得ない。
「止めてよ……」
 あの頃を思い出して震えるような、そんな時期は通り過ぎたのに。
「……は、」
 唇の笑みは視界の薄い滲みに溶けて、歪みを深くする。端末に綴った文字を消去して放り出す。時計を見れば、午後3時だった。
「やめて、よ……」
 辿る文字は、綴る言葉は、あの頃と同じ。けれどそれを送れない臆病は、今、だから。
「今……どこ……?」
 かすれた声は、何処にも届きそうになかった。

Talepiece 01:End
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2014.10.16(Thu) | 『名も知らず、咲き誇る花』 | cm(0) |

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