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白銀 桜

Author:白銀 桜
万華鏡、うつくしいかたちをみるもの。
映るものを、言葉に変えて。

日常、PSO2/PSUでのRP、創作など。

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+吸血鬼創作者様へ20の御題+ 02.宵闇
 宵闇が来る頃は、一番嫌いな時間だった。自分の中に流れる何かが、ざわざわと波打つように蠢くのが厭でも判ったから。
 ??これから訪れる時間が僕にとって一番耐え難い時間だと、僕自身が一番よく知っていた。



 身体がざわめくと、どうしても“獲物”を探しに行かなければいけない気分になってしまう。そうなる度に、僕は自分で自分の身体を縛めた。時には杭で、自分の掌を貫いたことさえある。そうでもしないと、僕はこの身体の“餓え”に打ち克つことが出来なかった。
 この身体を衝き動かすざわめきのなくなる日を、この“餓え”のなくなる日を、切実に願っていた。それらがあることは、僕が“化物”である十分すぎる理由だったから。だから、宵闇が嫌いだった。恐れていた。僕自身が“化物”に変わる瞬間が来ることに怯えていた。
 それ故に、宵闇が訪れる度に、僕は自分を傷つけてでも、僕自身を止めなくてはいけなかった??僕は、闇を身体に巣食わせた化物だと、誰よりよく知っていたから。

「聖莉さん」
 宵闇が近付く。僕はその中を、貴女を迎えるために歩いていく。離れたところで、少し照れたように手を振った貴女に、僕は微笑んだ。
「わざわざ迎えに来てくれたの?」
「ご迷惑でしたか?」
「……そんなことないけど」
 少し拗ねたように呟く貴女の手を取って歩き出す。貴女といる時は、宵闇さえ恐れないことに気が付いたのはいつだっただろうか。それが、貴女がいればいい、と思うようになったのは、いつからだっただろうか。そして、貴女を決して手離せないことに気付かされたのは、いつだったのだろうか。
 ざわめきは、今はない。この華奢な、やわらかい手を離した瞬間にそれが戻ってきたら、僕は??また、化物に戻るのだろうか?
「……何、考えてるの?」
 気が付くと、貴女は僕の顔を見上げていた。何でもない、そう言おうとした時に貴女は一言、こう言った。
「心配しなくたって、手を振り解いて逃げたりしないわよ」
 僕は何も言えずに、ただ微笑むしか出来なかった。貴女はそんな僕の手を引いて、足早に玄関の扉を開いた……。

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2005.04.10(Sun) | 吸血鬼創作者様に20のお題 | cm(0) |

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