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白銀 桜

Author:白銀 桜
万華鏡、うつくしいかたちをみるもの。
映るものを、言葉に変えて。

日常、PSO2/PSUでのRP、創作など。

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ファンタジースキーさんに100のお題…003.天界
 そこは、ただ白が広がっていて。
 息も絶え絶えに辿り着いた俺は、ただ呆然と立ち尽くした。
 冷たさも、温もりも、音も、色も、距離も、時間も、何もかもを失った白。それは、きっと、何者にも穢されない色なんだろう。……けれど。
 俺の求めていたモノは、こんなものじゃないはずだった。



「侵入者だ」
「捕まえろ、堕天の輩だ」
 声が響く。そこで初めて、我に返った。??逃げなければ、殺される。
 けれど、翼は重くて、もう役に立ちそうにない。その時、耳元できらりと、熱が燈った。
 ……こんなところで諦めるわけにいかない。俺は走り出した。息が、激しく乱れる。鼓動はどうしようもないほどに激しく打ち続ける。力を失いかける身体は、支えを求めてぐらぐらと揺れる。
 前も、後ろも、上も、下も、右も、左も、全ての感覚を失わせるような白の中を走る俺の目の前で、突然。……その永劫に続くように思われた白は破壊された。
 弾けるような、色の洪水。目が、眩む。赤、橙、黄色、桃、紫、そして……空の蒼。白以外の色が全て、その狭い空間に凝縮されていた。その場所にだけは、白は存在しなかった。煩いほどの色が、支配していた。
 そしてそこには。他にはない、温もりがあった。

「やかましいなぁ……ん、何や?」
 箱庭の主は、振り返る。目の前に飛び出してきた、灰色の翼持つ少年に目を向け、それを追うざわめきに目を向け、そして??微笑む。
「逃げたいか、捕まりたいか、選びや」
 少年は、乱していた息を詰めるようにして、じっと箱庭の主を見つめる。そして一言だけ、呟いた。
「天界は……本当の天界は、ここか?」
「??面白い奴やな、お前。えぇで、気に入った」
 箱庭の主は、少年を背に庇う。少年は知らず、その温もりに縋りつく。目の前に赫が広がったのは、その時だった。
「????」
 少年は絶句する。箱庭の主は、6枚の赫い翼を大きく広げ、再び微笑む。
「お前が此処こそを天界と言うなら、そうしようじゃないか」
 少年の目に、赫は染み入る。染み入り、少年の身体に僅かに残った力すら奪ってゆく。少年の虚ろになる意識の中で、箱庭の主は言った。
「お前の求めるものを、与えてやるよ」

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2004.11.28(Sun) | ファンタジースキーさんに100のお題 | cm(0) |

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