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白銀 桜

Author:白銀 桜
万華鏡、うつくしいかたちをみるもの。
映るものを、言葉に変えて。

日常、PSO2/PSUでのRP、創作など。

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【PSO2/RP】琴心剣胆【前振り的な。】
 ──ようやく商用エリアの騒ぎも落ち着いてきたみたいだな。仕込み中のBGM代わりに付けていたニュースを聞きながら、そんなことを思う。
 そこまで近いトコロで起きたことじゃなくて良かった、と思うのは薄情なんだろうな。警邏隊に知り合いが多い所為で、エンプラスとかいう奴らのやらかしたことの大きさも面倒さも漏れ聞いているし、市街地にあるこの店のことを考えても、他人事じゃないのは確かだけど……こっちや知ってる顔に被害がなかったのは、正直有難かった。
 アークス不要と大々的にぶちあげた挙句、その直後に起きたダーカーの唐突な襲来の結末は、惨憺たるもの、どころの騒ぎじゃなかった。アークス側でも転移を観測できなかった、っていうイレギュラー中のイレギュラーに、民間人、それもロクな訓練を受けていない奴らがフォトンのない得物で立ち向かうとか……正気の沙汰じゃねぇ。途中、何かの乱入があって何とか全滅の憂き目だけは回避できたらしいけど、市街地で起きていい騒ぎの類じゃなかった。
「……イブキ君」
「あれ、マ……今日はミシュさんなん?」
「確認したいことがありまして。──先日君を投げてて気付いたことがあったものですから」
「あー……」
 バレンタインの時のあれかよ……。思い出して、顔が少し歪むのが自分でも判る。そんなオレに、ミシュさんはさらりと言った。
「君、近接戦闘術、ちゃんとやったんですよね?」
「…………」
「……アスマ君?」
「いやほらオレ、だって、レンジャーだったりガンナーだったりだし?」
「──なるほど、避けて通りましたか……よくそれで訓練終わりましたね」
 深々と溜息をついて、ミシュさんが肩を竦めた。──自慢じゃないけど、オレは腕っぷしは強くない。喧嘩になりそうだったら、口先三寸で誤魔化して逃げるのが常だし。
「それじゃ、僕にあれだけ軽々と投げられるのも納得です。体格、それなりに恵まれてるんですから、体捌きをちゃんと覚えればそれなりに立ち回れるでしょう?」
「オレがそういうの苦手だって、ミシュさんだって知ってるじゃん……」
「警邏でも役に立ちますよ?」
「いやいやいや、そんなこと滅多に」
「エンプラスのようなモノが出てきたとなれば、時間の問題ですね」
 ミシュさんの軽い言葉に、手が止まった。冷蔵庫に仕込み終わった料理をしまって、エプロンを外して振り返る。うっすらと笑う育ての親は、軽く腕を組んで壁に凭れながら、オレからわざと視線を外す。
「例えこの1回だけであっても、アークスを強制的に区画外へ退去させてしまえたわけですから。ま、その分の報いはしっかり受けていますけれど、問題はそこじゃありませんしね。大変ですね、現役アークスは。ダーカーだけじゃなく、人を相手にしなくてはいけなくなるとは」
「……なぁ、言い方」
「割と外していないと思いますよ?」
 腹立つくらいに綺麗な笑顔だなホントに……! 髪をかき回して溜息をつくと、その笑顔のままミシュさんは言った。
「僕としては、養い子の身が安全なのが第1ですしね」
「……遠まわしなのもう良いよ、それで?」
「近接訓練、してきて下さいね」
「オレの出来るクラス無視してるよな!?」
「君、確か前にカタナ見てませんでしたか?」
「……何で知ってんの」
 え、何でバレて……つい口を出た言葉を、オレは後悔することになる。ミシュさんの笑みが、深くなった。
「簡単に引っかかってくれるとは……まだまだ可愛いですね」
「……くっそ……」
 呻きながら頭を抱えるオレに、ミシュさんは端末で何かを調べながら言葉を続ける。
「……あぁ、ブレイバーでしたね、そのクラス。弓とカタナ……また変わった得物を扱うんですね、何でまた?」
「……憧れてる人が居るんだよ」
 初めて会った時から、新米のオレを相手にいろいろと親身になってくれた人。前を行く背中はいつも大きくて、せめて並びたいと必死になったけど……ライセンスが更新できても、まだまだ追いつけなさそうで、ちょっと悔しい。
「……琴心剣胆、という言葉があるそうです」
「へ?」
「君の性格から言って、前衛をガチで出来るほどの胆力はないでしょうけどね。けれど、風情を楽しむ心と、勇ましい力がある、というのはなかなかいいんじゃないですか?」
「……うん」
 小さく頷くと、ミシュさんの笑顔が少し、和らいだ。
「いざという時に動けないのが、一番致命的です。──鍛えられてきて下さいね?」
「出来ることしか出来ねーけど、さ。……ちょっと、やってくるや」
 ……ちょっと、連絡とってみるかな。中途半端に上げたライセンスの情報を手元の端末で眺めながら、ほんの少しだけ、楽しみになってきた自分が居るのにも気付いていた。

【continue to the field…】

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2018.05.05(Sat) | 『新世界への切り札』 | cm(0) |

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