PSO2にてまったり活動中。 RPだとかその他いろいろ雑文書きとか。
access

最新記事
カテゴリ
最新コメント
月別アーカイブ
プロフィール

白銀 桜

Author:白銀 桜
万華鏡、うつくしいかたちをみるもの。
映るものを、言葉に変えて。

日常、PSO2/PSUでのRP、創作など。

検索フォーム

リンク
ブロとも申請フォーム
QRコード

QR

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
目が覚めると、視界が真っ白だった。一瞬自分の居場所が判らなくて、真っ白な中を見回す。もがくように目の前にかざした腕が素肌なのにまた混乱して、……そこでようやく昨夜のことを思い出した。シーツの海をかき分けて、顔を出す。カーテンを透かす光はもう、朝の光だ。
見慣れた部屋のベッドの上、下着姿でシーツにくるまって……なんて言えばすごくそれっぽいけれど、別に艶っぽい理由じゃない。
軽く額を押さえて、ベッドに凭れて眠ってしまっている横顔に小さく舌を出した。
きっかけは些細なことだった。一緒に出た緊急任務……ここ最近にしてはハードな現場を終えて、帰ってきて。満身創痍とまではいかないものの、お互いにそれなりの疲労感はあった。
「大丈夫だったか?」
「お互い様ねぇ……流石にフォースだと、普段とはフォトン運用の差で脆くはなるし」
「……無茶するな、って言ったはずだが」
小さく苛立ったように、低く言われた。こちらを見ないその視線が、俯き気味になっている。……少しだけ胸の何処かが、ちりっと灼けた。
「あの現場なら、こんなもんでしょぉ?……社だって、大分ガード抜かれてたじゃない、大丈夫だった?」
「俺は前に出るのが仕事だからな」
「……レスタ、届かなかったら、っていつも怖いのに」
「…………」
何となく、お互いに黙り込む。ちりちりと小さく小さく灼け続けているのは、心配と苛立ちが半々。それはきっと、目の前で黙ってしまっている横顔も同じはず、で。小さく溜息をついたのは、同じタイミングだった。
「……休んでおけ、今日は十分働いたんだ」
「そう言って置いていかれるのは嫌よぉ?」
「……ったく」
軽々とすくい上げられるように、身体が腕の中に閉じ込められた。暴れる隙さえ貰えずに、少し乱暴なくらいの力加減でベッドの上へ座らされる。
「ちょっと、」
「いいから休め」
「……どうしたの?私、確かに脆かったとは思うけど、仕事はちゃんとしたつもりよぉ?」
有無を言わせない勢いに、つい言葉がこぼれてしまう。その時、ふと目に走る熱に気が付いた。思わず手をやって、心当たりに泳いだ私の視線を、鋭い目線が追いかける。
「……気が付いたよな?お前さんの眼、いつもよりも光ってんだよ……!」
低く噛み殺すような、悲鳴に近い声が耳を打って、咄嗟に俯いてしまった。また、沈黙が降りてくる。
…気付かれてた。普段テクターで動くよりもフォトンの揺らぎが大きい気はしていたから、無理矢理腕の疑似フォトンサーキットを出さないよう抑え込んだのがいけなかったのかもしれない。ここ最近はアウターに隠せるのを良いことにわざわざ抑えずにいたから、眼に出ることは少なくなっていたのに……唇を軽く噛んで、自分の迂闊さを呪う。その私の肩に大きな手が置かれた。
「本当に、大丈夫なのか?」
「……えぇ」
「って聞いたところで、こう返ってくるよな……なら、こうだな」
頭の上から、白い何かが被せられる。視界が奪われて、一瞬パニックになる。
「やっ……ちょっと!」
「今日は駄目だ、ルル。……絶対に出さないからな」
「……っ」
心配されているのが判る反面で、頭を過るのは、また置いていかれてしまう不安。大丈夫だと、何度言われても宥められても、頭を離れようとしないそれは、ずっと私につきまとったままだ。
「……嫌、って言っても?」
「駄目だ」
短く返る言葉は、取りつく島もない。……少し、イラっとしたのは覚えている。着ていたのが和装だったのも、原因かもしれない。
シーツの中でもぞもぞと帯を解く。そのまま合わせを緩めて腕を抜けば、和装は簡単に脱げてしまう。それを掴んで、こちらを見つめている顔面に投げつけた。
「なっ、に……って、おいこれお前、ルル!?」
「……まだ要るぅ?」
もごもごとシーツから肩口まで出すと、慌てたらしい顔と目が合う。不意を付けたようで、悪戯心がくすぐられる。首を傾げて少し笑ってみせると、見る間に赤くなった顔が追加のシーツを降らせてきた。
「絶対それ以上出るなよ!マズいからな!?」
「ん、もぅ、社ぉ」
「っだー……頼むから休んでくれ、ルル。俺ももう今日は出ない、端末も切ったから、な?」
「…ホントに?」
何重にもなったシーツの中から何とか顔を出して、軽く睨む。返事の代わりは、まだ赤い顔を拗ねたように背けながらの、髪を撫でる指の優しさだった。
トランサーからそっとシャツを取り出して、シーツの中でもそもそと羽織る。そして、まだ眠ったままの横顔を起こさないよう、そっとベッドから滑り降りる。
「……結局ベッド、占領しちゃったし」
疲れがあったのは本当だし、……傍に居ることに安心してしまったのもあっただろうけれど。流石にあの雑なやり取りから前後不覚に落ちたのは、ちょっと納得いかない。それに、
「ここ、あなたの部屋じゃない……」
休むならソファーも隣も空いていたのに、わざわざ傍で休んでくれているのも、余りにらしくて。独り脹れていたはずの顔には、いつの間にか笑みが戻っていた。
「本当は、ゆっくり飲もうかと思ってたけど……まぁ、良いわよね」
出来るだけ静かに、朝ご飯の支度を始める。小さく口ずさむ歌に眠そうな声が答えたのは、出来上がる頃だった。
「ん、あ……悪ぃ、寝過ごした」
「起こしちゃった? 朝ご飯、出来たわよ」
「ん……」
「……もう少し、休む?」
隣に座って顔を覗き込む。焦点がぼんやりしていたらしい目が、私の顔と格好を順番に認識して、一気に目が覚めた、らしい。
「おっ、前……だから俺のシャツだけ羽織るのは……っ!」
「目、覚めた?」
「……覚めたよ」
腕を引かれて、胸の中に崩れこむ。困ったように目を逸らす横顔に小さく笑って、その胸に頰を寄せた。
「おはよ、社」
スポンサーサイト
<< 【PSO2/RP】Vase  1.彼と、彼女たちと。 * HOME * 【PSO2/RP】Talepiece 02【ver:Loiloidia】 >>

管理者にだけ表示を許可する
* HOME *
Brush by BrownBetty 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。