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白銀 桜

Author:白銀 桜
万華鏡、うつくしいかたちをみるもの。
映るものを、言葉に変えて。

日常、PSO2/PSUでのRP、創作など。

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ストーリーテラーに100の台詞…No.5「黙って聞け」
「っだぁぁぁぁ! まだるっこいウザったい面倒くせぇぇぇぇぇ!」
盛大にペンを放り出した相方を何度目かの溜息と共に眺め。俺はズレた眼鏡を指で押し戻した。
親の仇でもこうはならないだろうってぐらいの勢いで目の前の紙切れに噛み付きそうな顔をしている相方の前に、新たな紙を追加する。すると面白いように、相方の割合端整な部類であろう顔が歪んでいく。??うん、毎回良いリアクションだなぁ。
「何っで書類仕事があるんだよ、オレは仮にも勇者様だぞ!」
「うん、派遣だけどね」
「うぐっ」
「じゃ、今の書類はそこにサイン2個ね。その下3枚はサインとハンコ、忘れないように。この間それ忘れて、1週間待機させられたからね? で、今回の必須提出物の飛龍の鱗は?」
「さっきそこに投げ」
「たら駄目ってあれほど言っただろう!?」



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2009.08.17(Mon) | ストーリーテラーに100の台詞 | cm(0) |

ストーリーテラーに100の台詞…No.4「ついてないなあ」
あがる息を口元を隠す布で押し殺す。ガラにもない全力疾走のせいで、体中が悲鳴を上げかけている。
「だから……しくじるなって言ったでしょうに、あの子等は……っ」
ボヤく声も、見事にあがっている。情けない……動くのを任せて、デスクワークだけでサボってたツケが回ったんだろうか。それにしたって、
「手回し良すぎ……ハメられたのはこっちかしらね、コレは」
息を整えながら、辺りを窺おうと立ち上がった時だった。背中に硬い、出来ることなら一生の間に1度たりとも突きつけられたくない感触がぶつかった。
「……ついてないなあ」
呟いて、両手を挙げた。



2008.06.18(Wed) | ストーリーテラーに100の台詞 | cm(0) |

ストーリーテラーに100の台詞…No.3「ちょっと待ってよ」
 ……炎のような緋色の髪は、ワタシの遥か先を跳ねるように歩いていた。あぁ、あの歩き方からすれば、あと数時間ともたずに補給をしなければならないだろう。それは非常に非効率的だと何度も伝えているものの“彼”は全く意に介さない。それどころか、その補給の時間を心待ちにしているとまで言い放った。……急ぐ旅だと言ったのは、一体誰だったんだろうか。
「待ってください」
 ワタシの声は“彼”には届いていないようだ。……それは判っているけれど、ワタシの手持ちの荷物の多さを“彼”はすっかり頭から消し飛ばしてしまっているらしい。諦めきれず、ワタシは再び“彼”の背中に声を飛ばす。
「待ってください、ラス」
 今度は聞こえているはずだ。??けれど“彼”は振り返らない。ワタシは立ち止まって一呼吸置く。そして“彼”に言った。
「ちょっと待ってよ」



2006.01.25(Wed) | ストーリーテラーに100の台詞 | cm(0) |

ストーリーテラーに100の台詞…No.2「質問はそれだけか?」
 苛々と、カウンターを分厚い革手袋の指が叩く。
「早くしてくれないかなー、おねーさぁん」
 そう言い放つのは、背伸びをした感の抜けない少年だ。燃えるような深紅の髪と眸が、見るものを惹きつけずにはおかない強い印象を与える。右の頬から鼻筋にかけて、一筋の大きな傷跡が走っているが、それすらも自分にとっては飾りとでも言いたげに見える。ふてぶてしいほどの態度で彼はカウンターに寄りかかると、再度口を開いた。
「だからさぁ、言ってるだろ? 名前はラス=エラスド、職業は冒険者! さっさとここ通してくれない? 俺急いでるんだよねー」
 ……態度同様、ふてぶてしい口調で彼は言う。私は眼鏡のズレを直すと、乱暴に書き殴られた書類をペンで指した。
「あのね、冒険者なんていう職業はありえないの。だから何度も確認してるのよ? それにキミ、登録本当に通ってるの? 17歳でハンターなんて」
「質問はそれだけか?」


2005.04.06(Wed) | ストーリーテラーに100の台詞 | cm(0) |

ストーリーテラーに100の台詞…No.1 「できたっ!」
 ……さっきから、激しく不穏な物音が断続的に鳴り響いている。
 金属と金属が噛みあう音、陶器がぶつかり合う音、そしてその合間を縫うように聞こえてくる意味不明瞭な言語。俺の耳にその言葉は、最早呪詛のそれとしか聞こえていない。……何で逃げなかったんだろうか。今からでも遅くないぞ、そんな言葉が脳裏をよぎる。今そこのドアを開けて脱兎の勢いで死ぬ気で走れば、この恐怖からは逃れられると、慈悲深い天使が囁いている。
 けれど、その囁きはいきなりあがった声に粉砕された。
「できたっ!」


2005.01.31(Mon) | ストーリーテラーに100の台詞 | cm(0) |

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