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白銀 桜

Author:白銀 桜
万華鏡、うつくしいかたちをみるもの。
映るものを、言葉に変えて。

日常、PSO2/PSUでのRP、創作など。

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【PSO2/RP】氷の花、開く。【20170909/Re-play】
 いつものバーで、いつものように寛ぐ。新しいカタログから選んだ黒のドレスは、背中が大きく開いたデザインだ。入ってきたこちらを見て、ぽかんと口を開けていた潮緒ちゃんが呟く。
「わぁ……」
 齧りかけのパンを落としかけて器用にキャッチする姿は、普段のかっちりした姿からはあまり想像できない子供らしさで、思わず笑みが浮かぶ。
「ん?」
「あ、いえ……その、見惚れてしまいまして……」
「うふふ、ありがと」
 グラスに飲み物を用意して、フォトンを少し弄る。――このくらいは許容範囲、よね。フォトンで形成したロッドの上に座ると、潮緒ちゃんの目が丸くなった。
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2017.09.17(Sun) | 『名も知らず、咲き誇る花』 | cm(0) |

【PSO2/RP】氷の花、開く。
「……っ!?」
 文字通り、跳ね起きる。縋るように耳元へゆっくりと触れる指先はひどく震えていて、目だけが落ち着きなく周囲を見回していた。――ここは、……そうだ。あの、白い部屋じゃない。

2017.09.06(Wed) | 『名も知らず、咲き誇る花』 | cm(0) |

【PSO2/RP】氷の花
……遠くで、声が聞こえる。
「バイタルは安定したか?……前代未聞だな、運び込まれて来た時からコールドスリープ状態とは。一体どんなフォトン操作をしたらこんな器用なことになる? 余計なことはするな、必要以外弄るなとは言われたが、こんな魅惑的な実験対象が居るかね、まったく」
「この人、あの時の依頼の時も、相当無茶してたっぽいからね。ウチの銃の射線、ずっと遮ってたんよ?」
 ……忙しく歩き回る音と、聞き覚えのある声。手配は、上手くいっていたらしい。重くて仕方ない瞼を無理矢理上げると、うっすらと真っ白な世界が見えた。

2017.08.23(Wed) | 『名も知らず、咲き誇る花』 | cm(0) |

【PSO2/RP】Talepiece 02【ver:Loiloidia】
 年に1度、とはいえ……これだけの量のチョコレートを相手にすることもないんじゃないかしら。
「おねーちゃん、チョコ固まりそー!」
「慌てなくていいわよぉ、湯せんかけてるからそう簡単に……って溢れるわよそれ」
「わー!?」
 ……施設の女の子たち相手にバレンタインお菓子教室を開いて、もう3年ほどが経つ。定番のチョコカップに、シリアルチョコに、ブラウニー。小さい子達でも作った達成感は凄いものらしい。顔のあちこちにチョコレートを跳ね返しながら奮闘する女の子たちを、戸口の辺りで立ち入り禁止を命じられた男の子たちが一生懸命覗き込んでいる。
「おねーちゃん、できたー!」
「ん、上手に出来たわね。ちゃんと固まるまではそっとしておかなきゃよぉ?」
「焼けたよー、おねーちゃーん!」
「はいはぁい、ほら、熱いから離れてねぇ?」
 オーブンを開けると、熱気と共にチョコレートの香りが広がっていく。女の子だけじゃなく、男の子たちからも歓声が上がるのが可愛らしくて笑ってしまった。

2017.02.14(Tue) | 『名も知らず、咲き誇る花』 | cm(0) |

【PSO2/RP】やさしい嘘/嘘を見破るヒト【if/another】
「……また」
 腕に浮かんだ、何かの回路のようにも見えるフォトンを指でなぞった。いつもなら隠せているはずのそれは、いつになく煌めきを増している。目を細めながら、腕のフォトン痕を見つめる。いつものように集束をイメージしても、弾けるようにその集中が解かれてしまう。今までにはなかったことに、躊躇いと不安が落ちた。
 止まりかける手を動かして、支度を続ける。けれど選ぶ服は、いつもより腕の隠せるものに自然となっていく。それに気付いて、鏡の中の顔が苦笑した。

2017.01.08(Sun) | 『名も知らず、咲き誇る花』 | cm(0) |

おかえりとただいま
「おかえりなさーい!!」
 ドアを開けたら、波のように声が溢れだしてきた。子ども達の、満面の笑みが視界いっぱいに広がる。……気が付けば、笑顔になっていたらしい。迎えてくれた子ども達の顔が、更に明るくなった。
「おねーちゃん、荷物持つ! 持つよ!」
「おねーちゃん遊ぼー! 早くー!」
「あのねあのね、おねーちゃん、えっとねっ」
「ちょ、……ちょっと待って、荷物置かせ、あ、ちょっと、待っ……引っ張らないの、危ないから、ね?」
 数人の子に引っ張られ、背中に抱きつかれ、手にしていた買い出しの荷物を落としそうになる。あ、卵割れる……子ども達の勢いを止める間もなくて、少し諦めかけたその時、バランスを崩しかけた身体が浮いた。
「ほーら、お前ら! せめて荷物置いてからにしろー?」
 軽々とこちらを支える腕を見上げると、笑っている優しい赤い目と合った。
 

2016.12.03(Sat) | 『名も知らず、咲き誇る花』 | cm(0) |

最高の悲劇を/たまには甘えていいんだよ
 静かな昼下がり。外で遊んでいるはずの子ども達の声が、ぴたりと止んだ。嫌な予感に速足で外に出ると、声をかける前に子ども達がこちらへ逃げてくるところだった。たくさんの泣き顔に、その子達を庇っていたらしい大きな子の頬には、赤い跡が残っている。震えているその子の頭をそっと撫でると、部屋に戻るように促した。

2016.04.03(Sun) | 『名も知らず、咲き誇る花』 | cm(0) |

【PSO2/RP】 Endless Waltz 5 【MISS X DAY】
 そのメールは、唐突だった。
 聞き覚えのない着信音に端末を開くと、目に飛び込んだのは『反応消失』の文字だった。
「……は?」
「……どうした?」
 案じてくれた声が遠い。……何度も、何度見ても、この手の文字に慣れることはないのだろう。手が無意識に、トランザーの中を探し出したのに、まだ気付かないでいた。

2015.07.31(Fri) | 『名も知らず、咲き誇る花』 | cm(0) |

【PSO2/RP】Talepiece 01【ver:Loiloidia】
 1日1回だけ。――折れそうな心を手離さないために決めた、くだらない習慣。
 お店が暇になる、午後3時。コーヒーか紅茶を2人分淹れて、端末を手に取る。香りを胸いっぱいに吸い込んで、カップをゆっくり傾けて。今は亡き人たちを偲びながら、今帰らない1人を思いながら、同じ文字を辿って綴る。
 辿る指が小さく震えるのを、深呼吸でそっと宥めながら。
 祈るように、そっと送信を押した。

2014.10.16(Thu) | 『名も知らず、咲き誇る花』 | cm(0) |

【PSO2/RP】 Endless Waltz 4 【MISS X DAY】
 広報部が持ってきたとかいう企画……アークス学園だったか、本当はもっとよく判んないようないかがわしい名前だった気もするけれど。それに乗っかって、久しぶりに制服なんか着させられて。ついでに貰った資料を酒の肴にしようか、なんて。何となく端末を弄りだしたのが、あたしの運の尽きだったんだろう。
 年表を辿る目が、10年前の日付に釘付けになる。
 『10年前の死闘』なんて、それらしい名前で飾られたその日。
 ――あの日から、あたしは失い続けているのかも、しれない。


2014.05.16(Fri) | 『名も知らず、咲き誇る花』 | cm(0) |

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