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白銀 桜

Author:白銀 桜
万華鏡、うつくしいかたちをみるもの。
映るものを、言葉に変えて。

日常、PSO2/PSUでのRP、創作など。

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【PSO2/RP】琴心剣胆【前振り的な。】
 ──ようやく商用エリアの騒ぎも落ち着いてきたみたいだな。仕込み中のBGM代わりに付けていたニュースを聞きながら、そんなことを思う。
 そこまで近いトコロで起きたことじゃなくて良かった、と思うのは薄情なんだろうな。警邏隊に知り合いが多い所為で、エンプラスとかいう奴らのやらかしたことの大きさも面倒さも漏れ聞いているし、市街地にあるこの店のことを考えても、他人事じゃないのは確かだけど……こっちや知ってる顔に被害がなかったのは、正直有難かった。
 アークス不要と大々的にぶちあげた挙句、その直後に起きたダーカーの唐突な襲来の結末は、惨憺たるもの、どころの騒ぎじゃなかった。アークス側でも転移を観測できなかった、っていうイレギュラー中のイレギュラーに、民間人、それもロクな訓練を受けていない奴らがフォトンのない得物で立ち向かうとか……正気の沙汰じゃねぇ。途中、何かの乱入があって何とか全滅の憂き目だけは回避できたらしいけど、市街地で起きていい騒ぎの類じゃなかった。
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2018.05.05(Sat) | 『新世界への切り札』 | cm(0) |

【PSO2/RP】氷の花、瞬く。【20170918/Re-play+】
 言葉にならない声が、目の前で弾ける。その声にも動じる素振りさえ見せず、容赦のない力が私の髪を掴んで、後ろへ引く。引きずられながら見た、こちらを振り返った紅い目は、今まで見たことがないほどの怒りに満ちていた。
「触れんじゃねぇ……触れんじゃねぇ、触れんじゃねぇ」
 一瞬でも会話に気を取られてしまった自分の迂闊さに唇を噛む。……私が狙われていて、そもそも会話自体が気を逸らすためのモノだったら、こんなの完全に相手の完全に相手の思うつぼで。相手がいくら神出鬼没のような真似を出来るか、ら……そこまで思って、今の状況の違和感に気付く。
「触れんじゃ、ねぇ!!」
 フォトンを込めた拳が、青白い炎のように見える。普段からは想像の出来ないその色は、灼くほどの怒りが社を焦がしているのだと、思い知る。私を“掴んだまま”の腕の主は、力任せに振り下ろされた社の腕を“すり抜け”、更にその半身をも“すり抜け”た。
「……ふふ、忘れていますのね?」
 腕の主……リザ様を真似たらしい“それ”は、私の髪を掴んだままそう言って笑う。自然、引きずられる形になった私の口からは、抑えきれなかった声がこぼれる。
「い、たっ……!」
 髪を掴んだままの力に変わりはない、でも社のコトは“すり抜け”た。……どうして?

2018.05.01(Tue) | 『名も知らず、咲き誇る花』 | cm(0) |

【PSO2/RP】Eat me?//Give me!
 今年もまた、この日がやってきた……なんて。大騒ぎしながらチョコレートと格闘している女の子たちを見ながら苦笑する。いつもと違うのが良い!と騒ぐ子達のためにまた簡単なレシピを用意してきたけれど、女の子たちのパワーは毎回すごいと感心してしまう。
 大騒ぎの内にオーブンや冷蔵庫へ収まったチョコレートの完成を待つ間、少し一息入れようと紅茶を淹れ始めた私のところに、また女の子たちがやってくる。去年も見たその笑顔に、小さく苦笑して言う。
「今年はもう作ってきたわよ?」
「えー?」
「見てないから信じられなーい」
「だーかーらー、」
「「「おねーちゃんも、作るよね?」」」
 その場にいた子達が、示し合わせたように声を揃えた。……待ってこれ、去年に引き続いての逃げられないパターン……?
「ちょ、ちょっと!」
「おにーちゃんだったらあんまり甘くないのだよねー? だったらー」
「去年のはやっぱり甘かったもんねー!」
「ってゆーかおねーちゃんが可愛かったし!」
 ……誰かこれが悪夢だって、言ってくれないかしら。

2018.02.14(Wed) | 『まだここにない物語』 | cm(0) |

【PSO2/RP】氷の花、開く。【20170909/Re-play】
 いつものバーで、いつものように寛ぐ。新しいカタログから選んだ黒のドレスは、背中が大きく開いたデザインだ。入ってきたこちらを見て、ぽかんと口を開けていた潮緒ちゃんが呟く。
「わぁ……」
 齧りかけのパンを落としかけて器用にキャッチする姿は、普段のかっちりした姿からはあまり想像できない子供らしさで、思わず笑みが浮かぶ。
「ん?」
「あ、いえ……その、見惚れてしまいまして……」
「うふふ、ありがと」
 グラスに飲み物を用意して、フォトンを少し弄る。――このくらいは許容範囲、よね。フォトンで形成したロッドの上に座ると、潮緒ちゃんの目が丸くなった。

2017.09.17(Sun) | 『名も知らず、咲き誇る花』 | cm(0) |

【PSO2/RP】氷の花、開く。
「……っ!?」
 文字通り、跳ね起きる。縋るように耳元へゆっくりと触れる指先はひどく震えていて、目だけが落ち着きなく周囲を見回していた。――ここは、……そうだ。あの、白い部屋じゃない。

2017.09.06(Wed) | 『名も知らず、咲き誇る花』 | cm(0) |

【PSO2/RP】氷の花
……遠くで、声が聞こえる。
「バイタルは安定したか?……前代未聞だな、運び込まれて来た時からコールドスリープ状態とは。一体どんなフォトン操作をしたらこんな器用なことになる? 余計なことはするな、必要以外弄るなとは言われたが、こんな魅惑的な実験対象が居るかね、まったく」
「この人、あの時の依頼の時も、相当無茶してたっぽいからね。ウチの銃の射線、ずっと遮ってたんよ?」
 ……忙しく歩き回る音と、聞き覚えのある声。手配は、上手くいっていたらしい。重くて仕方ない瞼を無理矢理上げると、うっすらと真っ白な世界が見えた。

2017.08.23(Wed) | 『名も知らず、咲き誇る花』 | cm(0) |

【PSO2/RP】Vase  1.彼と、彼女たちと。
 ……押し殺す声が聞こえる。静まり返った部屋の向こうから、小さく。堪えきれなかったらしい微かな嗚咽に、軽く首を横に振った。
 ルームシェアをしている同居人たちがそれぞれの事情を抱えていることは知っている。詳しく聞かなくても、僅かに翳る表情に、察知できることがある。1人はコールドスリープ中、その方が多分諸々考えた時に安全だろうっていう判断でもあったけども。けれど、もう1人の姐さんはコールドスリープするはずの予定を変えて、毎日忙しそうにしていた。……忙しくしてたのかも、しれない。
 2年前にソーンを発った、オレも顔馴染みの兄さんから、全く連絡が来なくなって随分経った。傍から見ても判った、ゆっくりと縮まっていった距離をまた突き放すように、毎日は過ぎていく。厳重なメディカルチェックを毎月義務付けられて、大した自由が利かない中、アークスとしても孤児院の助っ人としてもあちこちで動きながら、それでも姐さんは笑みを絶やそうとはしなかった。
「……こーゆー人から、崩れちまうんだろうな」
 できるだけ物音を立てずに、コーヒーを淹れる。持ち主のいない部屋を横切って、閉じたドアをノックする。ドアの向こうで、慌てる気配がした。

2017.05.22(Mon) | 『新世界への切り札』 | cm(0) |

【PSO2/RP】Talepiece 02【ver:Loiloidia】
 年に1度、とはいえ……これだけの量のチョコレートを相手にすることもないんじゃないかしら。
「おねーちゃん、チョコ固まりそー!」
「慌てなくていいわよぉ、湯せんかけてるからそう簡単に……って溢れるわよそれ」
「わー!?」
 ……施設の女の子たち相手にバレンタインお菓子教室を開いて、もう3年ほどが経つ。定番のチョコカップに、シリアルチョコに、ブラウニー。小さい子達でも作った達成感は凄いものらしい。顔のあちこちにチョコレートを跳ね返しながら奮闘する女の子たちを、戸口の辺りで立ち入り禁止を命じられた男の子たちが一生懸命覗き込んでいる。
「おねーちゃん、できたー!」
「ん、上手に出来たわね。ちゃんと固まるまではそっとしておかなきゃよぉ?」
「焼けたよー、おねーちゃーん!」
「はいはぁい、ほら、熱いから離れてねぇ?」
 オーブンを開けると、熱気と共にチョコレートの香りが広がっていく。女の子だけじゃなく、男の子たちからも歓声が上がるのが可愛らしくて笑ってしまった。

2017.02.14(Tue) | 『名も知らず、咲き誇る花』 | cm(0) |

【PSO2/RP】やさしい嘘/嘘を見破るヒト【if/another】
「……また」
 腕に浮かんだ、何かの回路のようにも見えるフォトンを指でなぞった。いつもなら隠せているはずのそれは、いつになく煌めきを増している。目を細めながら、腕のフォトン痕を見つめる。いつものように集束をイメージしても、弾けるようにその集中が解かれてしまう。今までにはなかったことに、躊躇いと不安が落ちた。
 止まりかける手を動かして、支度を続ける。けれど選ぶ服は、いつもより腕の隠せるものに自然となっていく。それに気付いて、鏡の中の顔が苦笑した。

2017.01.08(Sun) | 『名も知らず、咲き誇る花』 | cm(0) |

おかえりとただいま
「おかえりなさーい!!」
 ドアを開けたら、波のように声が溢れだしてきた。子ども達の、満面の笑みが視界いっぱいに広がる。……気が付けば、笑顔になっていたらしい。迎えてくれた子ども達の顔が、更に明るくなった。
「おねーちゃん、荷物持つ! 持つよ!」
「おねーちゃん遊ぼー! 早くー!」
「あのねあのね、おねーちゃん、えっとねっ」
「ちょ、……ちょっと待って、荷物置かせ、あ、ちょっと、待っ……引っ張らないの、危ないから、ね?」
 数人の子に引っ張られ、背中に抱きつかれ、手にしていた買い出しの荷物を落としそうになる。あ、卵割れる……子ども達の勢いを止める間もなくて、少し諦めかけたその時、バランスを崩しかけた身体が浮いた。
「ほーら、お前ら! せめて荷物置いてからにしろー?」
 軽々とこちらを支える腕を見上げると、笑っている優しい赤い目と合った。
 

2016.12.03(Sat) | 『名も知らず、咲き誇る花』 | cm(0) |

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