PSO2にてまったり活動中。 RPだとかその他いろいろ雑文書きとか。
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白銀 桜

Author:白銀 桜
万華鏡、うつくしいかたちをみるもの。
映るものを、言葉に変えて。

日常、PSO2/PSUでのRP、創作など。

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……遠くで、声が聞こえる。
「バイタルは安定したか?……前代未聞だな、運び込まれて来た時からコールドスリープ状態とは。一体どんなフォトン操作をしたらこんな器用なことになる? 余計なことはするな、必要以外弄るなとは言われたが、こんな魅惑的な実験対象が居るかね、まったく」
「この人、あの時の依頼の時も、相当無茶してたっぽいからね。ウチの銃の射線、ずっと遮ってたんよ?」
 ……忙しく歩き回る音と、聞き覚えのある声。手配は、上手くいっていたらしい。重くて仕方ない瞼を無理矢理上げると、うっすらと真っ白な世界が見えた。
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『前略っ!
 おにーさん、お身体お変わりありませんでしょーか! 最近お店の方に泊まりっきりで部屋に戻ってこないので、すっかりおにーさんのお部屋を自室として寛いでいる玻璃ですよっ! 最近はおにーさんの彼女さんの誤爆も無くなって、気まずい思いもせずに済んでおります!
 ……しかし、とゆーことは、お店でキャッキャウフフなさってるわけでしょーか……これは密を告げる案件ですね!? ちょっと言っときますエリアルさんとかエリアルさんとかエリアルさんに!!
 あ、おねーさんのご飯も大変美味しいのですが、たまには帰ってきてくださらないとおねーさんのご負担が多大なものになってしまいますので! その辺はよろしくお願いいたしますね!
 玻璃は夏休みになりますので、少々おじいちゃまのところに帰ってきます! 帰省ですね! おにーさんのご協力のおかげで、学業も満足いく成績を取れましたし、アークス業も大分板についたですよ!
 そんなわけで、玻璃が居なくなって寂しくて泣いてしまう夜もあるかと思いますが、1カ月ちょっと涙で枕を濡らしつつ待っているといいと思うですよ! あと空調、大分おかしくなっていますから! 玻璃が戻るまでに直していただけると助かります!
 では行ってまいりまーs』
「ねーよ!!!!!」
 どこからツッコめばいいんだあの眼鏡チビ……!
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 ……押し殺す声が聞こえる。静まり返った部屋の向こうから、小さく。堪えきれなかったらしい微かな嗚咽に、軽く首を横に振った。
 ルームシェアをしている同居人たちがそれぞれの事情を抱えていることは知っている。詳しく聞かなくても、僅かに翳る表情に、察知できることがある。1人はコールドスリープ中、その方が多分諸々考えた時に安全だろうっていう判断でもあったけども。けれど、もう1人の姐さんはコールドスリープするはずの予定を変えて、毎日忙しそうにしていた。……忙しくしてたのかも、しれない。
 2年前にソーンを発った、オレも顔馴染みの兄さんから、全く連絡が来なくなって随分経った。傍から見ても判った、ゆっくりと縮まっていった距離をまた突き放すように、毎日は過ぎていく。厳重なメディカルチェックを毎月義務付けられて、大した自由が利かない中、アークスとしても孤児院の助っ人としてもあちこちで動きながら、それでも姐さんは笑みを絶やそうとはしなかった。
「……こーゆー人から、崩れちまうんだろうな」
 できるだけ物音を立てずに、コーヒーを淹れる。持ち主のいない部屋を横切って、閉じたドアをノックする。ドアの向こうで、慌てる気配がした。
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目が覚めると、視界が真っ白だった。一瞬自分の居場所が判らなくて、真っ白な中を見回す。もがくように目の前にかざした腕が素肌なのにまた混乱して、……そこでようやく昨夜のことを思い出した。シーツの海をかき分けて、顔を出す。カーテンを透かす光はもう、朝の光だ。
見慣れた部屋のベッドの上、下着姿でシーツにくるまって……なんて言えばすごくそれっぽいけれど、別に艶っぽい理由じゃない。
軽く額を押さえて、ベッドに凭れて眠ってしまっている横顔に小さく舌を出した。
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 年に1度、とはいえ……これだけの量のチョコレートを相手にすることもないんじゃないかしら。
「おねーちゃん、チョコ固まりそー!」
「慌てなくていいわよぉ、湯せんかけてるからそう簡単に……って溢れるわよそれ」
「わー!?」
 ……施設の女の子たち相手にバレンタインお菓子教室を開いて、もう3年ほどが経つ。定番のチョコカップに、シリアルチョコに、ブラウニー。小さい子達でも作った達成感は凄いものらしい。顔のあちこちにチョコレートを跳ね返しながら奮闘する女の子たちを、戸口の辺りで立ち入り禁止を命じられた男の子たちが一生懸命覗き込んでいる。
「おねーちゃん、できたー!」
「ん、上手に出来たわね。ちゃんと固まるまではそっとしておかなきゃよぉ?」
「焼けたよー、おねーちゃーん!」
「はいはぁい、ほら、熱いから離れてねぇ?」
 オーブンを開けると、熱気と共にチョコレートの香りが広がっていく。女の子だけじゃなく、男の子たちからも歓声が上がるのが可愛らしくて笑ってしまった。
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「……また」
 腕に浮かんだ、何かの回路のようにも見えるフォトンを指でなぞった。いつもなら隠せているはずのそれは、いつになく煌めきを増している。目を細めながら、腕のフォトン痕を見つめる。いつものように集束をイメージしても、弾けるようにその集中が解かれてしまう。今までにはなかったことに、躊躇いと不安が落ちた。
 止まりかける手を動かして、支度を続ける。けれど選ぶ服は、いつもより腕の隠せるものに自然となっていく。それに気付いて、鏡の中の顔が苦笑した。
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「おかえりなさーい!!」
 ドアを開けたら、波のように声が溢れだしてきた。子ども達の、満面の笑みが視界いっぱいに広がる。……気が付けば、笑顔になっていたらしい。迎えてくれた子ども達の顔が、更に明るくなった。
「おねーちゃん、荷物持つ! 持つよ!」
「おねーちゃん遊ぼー! 早くー!」
「あのねあのね、おねーちゃん、えっとねっ」
「ちょ、……ちょっと待って、荷物置かせ、あ、ちょっと、待っ……引っ張らないの、危ないから、ね?」
 数人の子に引っ張られ、背中に抱きつかれ、手にしていた買い出しの荷物を落としそうになる。あ、卵割れる……子ども達の勢いを止める間もなくて、少し諦めかけたその時、バランスを崩しかけた身体が浮いた。
「ほーら、お前ら! せめて荷物置いてからにしろー?」
 軽々とこちらを支える腕を見上げると、笑っている優しい赤い目と合った。
 
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 静かな昼下がり。外で遊んでいるはずの子ども達の声が、ぴたりと止んだ。嫌な予感に速足で外に出ると、声をかける前に子ども達がこちらへ逃げてくるところだった。たくさんの泣き顔に、その子達を庇っていたらしい大きな子の頬には、赤い跡が残っている。震えているその子の頭をそっと撫でると、部屋に戻るように促した。
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 そのメールは、唐突だった。
 聞き覚えのない着信音に端末を開くと、目に飛び込んだのは『反応消失』の文字だった。
「……は?」
「……どうした?」
 案じてくれた声が遠い。……何度も、何度見ても、この手の文字に慣れることはないのだろう。手が無意識に、トランザーの中を探し出したのに、まだ気付かないでいた。
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 1日1回だけ。――折れそうな心を手離さないために決めた、くだらない習慣。
 お店が暇になる、午後3時。コーヒーか紅茶を2人分淹れて、端末を手に取る。香りを胸いっぱいに吸い込んで、カップをゆっくり傾けて。今は亡き人たちを偲びながら、今帰らない1人を思いながら、同じ文字を辿って綴る。
 辿る指が小さく震えるのを、深呼吸でそっと宥めながら。
 祈るように、そっと送信を押した。
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